プレスリリース書き方の基本は、「タイトル・リード文・本文・会社概要・問い合わせ先」という決まった型に沿って、結論を先に書くことに尽きます。ニュース性を整理し、この型に当てはめて書くだけで、記者に最後まで読んでもらえる完成度に近づけます。
「プレスリリースを書いてみたものの、これで本当に取り上げてもらえるのか自信がない」「テンプレートを埋めただけで、広告のような文章になってしまう」——そう感じている担当者の方は少なくありません。プレスリリースは自由な作文ではなく、報道関係者に事実を正確かつ簡潔に伝えるための実務文書であり、押さえるべき型と手順が存在します。
この記事では、プレスリリースの基本構成と書き方の手順、読まれない・取り上げられないプレスリリースに共通する失敗パターンと注意点、そして配信した後にSEOや自社サイトへの導線として活かすポイントまで、実践目線で解説します。
プレスリリースとは?何のために書くのか
プレスリリースとは、企業や団体が新しい情報を報道機関に向けて発信する公式な文書です。まずは「誰に向けて」「何のために」書くものかを整理しておくと、以降の構成や表現の判断がぶれにくくなります。
プレスリリースの役割
プレスリリースの一次的な読者は消費者ではなく、新聞記者やテレビディレクター、雑誌・Webメディアの編集者といった報道関係者です。彼らにニュースとしての価値を認めてもらい、記事化・番組化してもらうことがプレスリリースの目的であり、消費者に直接語りかける広告や自社ブログとは役割が異なります。
期待できる効果
プレスリリースが記事として取り上げられれば、メディア掲載による認知拡大や信頼性の向上が期待できます。また、配信サービスを通じて公開されたプレスリリースのページ自体が、自社サイトへのリンクを含む形で外部に公開されるケースも多く、指名検索の増加や関連性のある被リンクの獲得など、間接的なSEO面での効果につながる可能性がある点も見逃せません。
被リンクがSEOにどう影響するのかをより詳しく知りたい方は、被リンクの獲得方法と注意点を解説した記事もあわせてご覧ください。
プレスリリース書き方の基本構成
プレスリリースは自由な形式ではなく、「タイトル」「リード文」「本文」「会社概要」「問い合わせ先」という5つの要素で構成するのが基本です。それぞれの役割と目安を押さえておきましょう。
タイトル
タイトルはプレスリリースの中でもっとも重要な要素です。記者は日々大量のプレスリリースに目を通すため、タイトルだけで読むかどうかを判断されることも珍しくありません。目安として30文字前後にまとめ、伝えたいことを一つに絞り込み、重要なキーワードは前半に配置するのが基本の考え方です。
リード文
タイトルに続くリード文(第一段落)は、5〜6行程度を目安に、結論から先に書きます。いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように(5W1H)を意識し、リード文だけを読めば概要が把握できる状態を目指します。本文を読まなくても要点が伝わることが理想です。
本文
本文はリード文で示した結論を、詳細情報で補足していく「逆三角形」の構成が基本です。重要度の高い情報から順に並べ、背景・具体的な特徴・データ・関係者のコメントなどを続けます。1本のプレスリリースで扱うテーマは一つに絞り、複数の発表を詰め込まないことも大切です。
会社概要・問い合わせ先
本文の最後には、会社名・所在地・代表者名・事業内容などの会社概要と、取材や問い合わせを受け付ける担当者名・連絡先を明記します。記者が「もっと詳しく聞きたい」と思ったときにすぐ連絡が取れる状態を用意しておくことが、取材につながる確率を左右します。
プレスリリース書き方の手順
基本構成を踏まえたうえで、実際に書き進める際の手順を5つのステップに分けて紹介します。
ステップ1:発表内容のニュース性を整理する
単なる商品紹介や自社の宣伝ではなく、社会的な話題性・季節性・新規性など、報道関係者や読者が「価値がある」と感じる切り口を洗い出します。何が新しいのか、なぜ今発表するのかを一言で説明できる状態にしておくと、後の工程がスムーズです。
ステップ2:5W1Hで要素を洗い出す
いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように行うのかを箇条書きで整理します。この段階で数字データ(日時・価格・規模など)も一緒に集めておくと、リード文や本文に具体性を持たせやすくなります。
ステップ3:タイトルとリード文を作成する
整理した情報をもとに、まずタイトルとリード文から書き始めます。本文より先にこの2つを固めることで、伝えたいメッセージの軸がぶれにくくなります。
ステップ4:本文を執筆する
リード文の内容を、重要度の高い順に詳細情報として展開していきます。可能であれば図表や画像も準備し、文章だけに頼らない構成にすることで、読み手の理解を助けます。
ステップ5:会社概要と体裁を整えて配信する
会社概要・問い合わせ先を追記し、誤字脱字や表記ゆれ、事実関係に誤りがないかを最終確認したうえで配信します。配信前に第三者の目でチェックしてもらうと、思い込みによる伝わりにくさに気づきやすくなります。
読まれない・取り上げられないプレスリリースによくある失敗と注意点
基本構成に沿って書いていても、いくつかの失敗パターンに当てはまると、記者に読まれる前に埋もれてしまいます。代表的な注意点を押さえておきましょう。
誇大・広告的な表現になっている
「業界No.1」「最強」「絶対に満足」といった主観的・誇張的な表現は、根拠が伴わない限り信頼性を損ないます。プレスリリースはあくまで事実を伝える文書であり、広告のコピーではないという前提を忘れないことが重要です。
情報を詰め込みすぎて結論が埋もれる
伝えたいことを欲張って複数のテーマを1本に詰め込むと、結局何が一番のニュースなのかが読み手に伝わりません。1本のプレスリリースにつき伝えるテーマは一つに絞ることを徹底しましょう。
画像・データが不足している
文字だけでびっしり埋まったプレスリリースは、記者にとって内容を把握しづらいものです。イメージ画像やグラフ、図解などを添えることで、視覚的に内容を理解してもらいやすくなります。
一文が長く読みにくい
一文の中に複数の情報を詰め込むと、読み手の負担が大きくなります。一文はできるだけ短く区切り、簡潔な言い回しを心がけることで、限られた時間で目を通す記者にも伝わりやすい文章になります。
配信したプレスリリースの効果を高めるポイント
書き方の型を押さえたら、次は配信後の活かし方も意識しておくと、単発の発表で終わらせずに済みます。
配信先・媒体を目的に合わせて選ぶ
プレスリリース配信サービスには、業界特化型から幅広いメディアに一斉配信できるものまで種類があります。想定するターゲット層や業界に読まれているメディアを踏まえて、配信先を選ぶことが取り上げられる確率に影響します。
掲載後の情報を自社サイトの導線につなげる
配信したプレスリリースは、自社サイトのニュースページやオウンドメディアからもリンクを貼り、あわせて紹介しておくと、興味を持った読者がそのまま自社サイトへ流入しやすくなります。単発で終わらせず、既存のコンテンツ資産と連動させる視点が大切です。
プレスリリースをオウンドメディアの記事と連動させる際は、コンテンツSEOの基本的な進め方を解説した記事も参考になります。
継続的な情報発信として仕組み化する
プレスリリースの書き方や配信の判断が特定の担当者の勘に依存していると、その人が異動・退職した際にノウハウが途切れてしまいます。書き方の型やチェック項目を社内でドキュメント化し、誰が担当しても一定の品質で発信できる状態にしておくことが、中長期的な広報活動の安定につながります。
特定の担当者に依存しない体制づくりという観点では、業務改善の進め方を整理した記事もあわせてご覧ください。
プレスリリース本文でよく使われる要素
基本構成に加えて、本文に盛り込むと説得力が増す要素があります。書き方に迷ったときは、以下の要素を入れられないか確認してみてください。
具体的な数字・データ
「多くの」「大幅に」といった曖昧な表現よりも、日時・価格・規模などの具体的な数字を示す方が、記者にとって事実確認がしやすく、記事化の判断もしやすくなります。自社で確認済みの正確な数値のみを使い、根拠のない数字は絶対に書かないことが前提です。
関係者のコメント
代表者や開発担当者など、当事者のコメントを本文中に入れると、発表の背景や思いが伝わりやすくなります。コメントは一言で本質を突く簡潔なものにまとめ、長い挨拶文にならないよう注意しましょう。
図表・画像
サービスの画面イメージや商品写真、調査結果を示すグラフなどを添付すると、文章だけでは伝わりにくい情報を補完できます。メディア側が記事に転載しやすい形式(サイズ・解像度)で用意しておくと親切です。
プレスリリースは自社で書く?外部に依頼する?
書き方の型自体は難しいものではありませんが、実際に運用していくとなると、自社対応と外部依頼のどちらが適しているか迷う場面も出てきます。判断の目安を整理しておきましょう。
自社で書くのに向いているケース
発表する内容の背景や技術的な詳細を最もよく理解しているのは社内の担当者です。定期的に情報発信の機会があり、書き方の型を学ぶ時間を確保できるなら、まずは本記事のような基本構成に沿って自社で作成し、数をこなしながら精度を上げていく進め方が現実的です。
外部に相談するのに向いているケース
担当者がほかの業務と兼任していて時間を割きにくい場合や、ニュース性の見極め・媒体選定・配信後の効果測定まで一貫した体制を整えたい場合は、広報やSEOの知見を持つ外部の専門家に相談する方が、結果的に早く成果につながることもあります。特に、書き方や配信判断が特定の担当者に依存している「属人化」の状態を解消したい企業にとっては、外部の視点を取り入れる価値は大きいといえます。
よくある質問
プレスリリースの書き方に関して、よく寄せられる質問にまとめて回答します。
Q. プレスリリースはどのくらいの頻度で出すのが理想ですか?
A. 決まった正解はありませんが、ニュース性のある情報が発生したタイミングで出すのが基本です。新商品の発売、サービス改定、調査結果の公表、資本業務提携など、発表すべき事実が生まれるたびに配信すれば、結果的に月1〜数回程度のペースになる企業が多く見られます。無理に本数を増やすより、1本ごとの完成度を高めることの方が重要です。
Q. プレスリリースとブログ記事の違いは何ですか?
A. プレスリリースは報道機関や記者に向けて「事実」を伝え、記事化や番組化してもらうことを目的とした文書です。一方でブログ記事は読者に直接読んでもらうことを前提に、解説や比較などの情報を届けます。プレスリリースは客観的な事実の伝達に徹し、広告的な表現を避ける点が、自由度の高いブログ記事と大きく異なります。
Q. 無料で使えるテンプレートはありますか?
A. プレスリリース配信サービス各社が、タイトル・リード文・本文・会社概要の型に沿った無料テンプレートを配布しています。まずはそうした既存のテンプレートで構成の型を覚え、本記事で紹介した書き方の手順や注意点を踏まえて自社の内容に合わせて調整していくのが、遠回りに見えて確実な進め方です。
Q. プレスリリースの効果はどのくらいで出ますか?
A. 配信直後にメディアから問い合わせが来ることもあれば、記者が資料として保管し、関連ニュースが出たタイミングで数週間後に取材につながることもあります。掲載や取材の有無だけでなく、指名検索の増加や自社サイトへのアクセス変化など、中長期的な視点で効果を確認することが大切です。
Q. 自社で書くのが難しい場合はどうすればいいですか?
A. 書き方の型を押さえれば自社作成も十分可能ですが、ニュース性の見極めや媒体選定、継続的な運用体制の構築まで含めると、担当者一人に負担が偏りがちです。属人化を避けて仕組み化したい場合は、広報・PR領域の知見を持つ外部の専門家に相談するのも有効な選択肢です。
まとめ
プレスリリース書き方の基本は、タイトル・リード文・本文・会社概要・問い合わせ先という型に沿って、結論を先に書く逆三角形の構成でまとめることです。誇大な表現や情報の詰め込みすぎを避け、5W1Hを意識して簡潔に書くことで、記者に読まれ、取り上げられる可能性が高まります。さらに配信後は自社サイトとの導線を作り、書き方や運用を仕組み化しておくことで、広報活動を一過性で終わらせず継続的な効果につなげられます。自社だけでの運用に不安がある場合や、広報・SEOを含めたマーケティング全体を仕組み化したい場合は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
